こんにちは、ぷっぷです。
先日我が家のアウトランダーPHEVの駆動用バッテリーを交換しました。
このアウトランダーPHEVのバッテリー(三菱のEV系車両)は容量保証が付いており、条件に適合すれば無償で交換して頂けます。
しかし先日知り合いのアウトランダーPHEVに乗っている方2名と話す機会があったのですが、2人とも容量保証の存在を知りませんでした。(わたしもSNSで偶々見かけてこの保証を知った次第です)
因みにこれを自己負担で交換するとなると、部品工賃込みで約100万円程の出費となってしまいます。
知っている人だけが得をする感に違和感を感じました。
ということで、
今回はアウトランダーPHEVの駆動用バッテリー保証についてお話してみたいと思います。
三菱自動車の駆動用バッテリー
アウトランダーPHEVの駆動用バッテリーは、年式によって容量や保証条件が異なります。
因みにトヨタさんではBEVの駆動用バッテリー容量保証は、新車登録から10年で70%を下回った場合に保証されるそうです。
また、日産さんの場合は少し特殊な保証の様なので、詳しくは日産さんで確認をしてください。
車両形式 | 容量 | 容量低下保証 | 製造上の不具合等に起因する故障 |
GG2W(-00/-03) | 12kwh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の70%を下回った場合 | 初度登録後5年以内 (但し走行10万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 |
GG2W-04 GG3W | 13.8kwh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の70%を下回った場合、無償で修理・交換を実施 | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 |
GN0W(現行型) | 20kwh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の66%を下回った場合、無償で修理・交換を実施 | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 |
GL3W エクリプスクロスPHEV | 13.8kwh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の66%を下回った場合、無償で修理・交換を実施 | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 |
意外と少なく見える70%と66%の差ですが、これが結構微妙なライン。
我が家のアウトランダーを2022年9月末の車検時にバッテリーの容量を測定して貰ったら、70.3%で交換対象とはなりませんでした。
そして2023年の2月にバッテリーの容量を測定して貰った結果、68%という数値になり交換対象となりました。
66%だったら、あと6ヶ月で8年となってしまうので、それまでに65%まで劣化させなければ交換対象にはならないという事になります。
因みにピュアEVであるEK-クロスEVやi-MiEVやMINICAB-MiEVについては以下の通りになります。
車両形式 | 容量 | 容量低下保証 | 製造上の不具合等に起因する故障 |
EK-クロスEV B5AW | 20kWh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の66%を下回った場合、無償で修理・交換を実施 | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 |
i-MiEV HA3W HA4W | 16kwh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の70%を下回った場合、無償で修理・交換を実施 | 初度登録後5年以内 (但し走行10万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 また初度登録後5年超8年以内(但し走行10万km以内)で故障が発生した場合、一定額のお客様ご負担での修理を実施 |
i-MiEV HA4W-030 HD4W | 16kwh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の70%を下回った場合、無償で修理・交換を実施 | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 |
MINICAB-MiEV U67V U68V-000 U68V-010 U68V-020 U68V-030 | 10.5kWh 16.0kWh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の70%を下回った場合、無償で修理・交換を実施 | 初度登録後5年以内 (但し走行10万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 初度登録後5年超8年以内 (但し走行10万km以内)で故障が発生した場合、一定額のお客様ご負担での修理を実施 |
MINICAB-MiEV U68V-050 | 10.5kWh 16.0kWh | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の70%を下回った場合、無償で修理・交換を実施 | 初度登録後8年以内 (但し走行16万km以内)で故障が発生した場合、無償で修理・交換を実施 |
駆動バッテリーを交換後の変化
駆動用バッテリーを交換する事によって以下の変化がありました。
※私の個人的な感想です。
EV走行可能距離が増えた
EVで走行できる距離が大幅に伸びました。
メーターディスプレイ表示の数値なので、正確な値ではありませんが、交換前は満充電をしても34kmという数値(実際はもっと走らなかったです)でしたが、交換後は58kmという表記となりました。
出だしがスムーズになった
機器による計測は行っていないので、あくまでも体感での感想ですが、アクセルを踏んだときの力強さが戻った感じがしました。
個人的な感想ですが、(ガソリン車で例えると)エアクリーナーを社外スポーツフィルター(純正形状)に交換したくらいの体感差がありました。
エンジンがサポートするタイミングが遅くなった
これはPHEVに乗っている人にしか分からない部分ですが、加速を必要とするような場面になると、エンジンが始動して加速をサポートするようになるのですが、このタイミングが遅くなりました。
つまりこれは電池交換による供給電力量に変化が起きた(元に戻った?)のではないかと推測できます。
このような嬉しい変化があったので、三菱のPHEVやEVに乗っている方は、是非一度チェックして欲しい保証の一つです!
駆動用バッテリーの容量保障を受けるには?
保証条件を満たしていても、日頃の点検や購入ルートによっては、容量保証を受ける事が出来ない場合もあるそうです。
因みにその条件は以下の通りとなります。
- 取扱説明書に記載されている正しい取扱いとお手入れの実施
- 法令で定められた日常点検、定期点検整備の実施
- 三菱自動車が指定する点検整備と定期交換部品、及び油脂類の指定どおりの交換
- 定期点検整備の実施が証明できるメンテナンスノートの携行
- 駆動用バッテリーを、販売会社のサービス工場または三菱自動車が認めたサービス工場以外で組立・修理・分解・改造を行った場合
- 自動車が日本国外へ持ち出された場合
ディーラーでメンテナンスをお願いしている方であれば特に問題は無いと思います。
中古車で購入した場合の補償
三菱自動車の保証継承*1がされていない中古車を使用している場合、駆動用バッテリーの特別保証、および容量保証を受けるには、販売会社(正規ディーラー)のサービス工場にて、12ヶ月点検相当の点検(有料)と駆動用バッテリーの容量測定(有料)を実施し、メンテナンスノート(点検整備方式/点検整備記録簿)に点検記録を残す必要があります。
また、メンテナンスノートがない場合は、メンテナンスノートを購入して、点検記録を残す必要もあるそうです。
*1:保証継承とは
自動車の保証は「保証書に名前や販売会社名等の必要事項が記載された方」に対して効力を有するものなので、保証期間が残っている中古車をご購入された場合は、三菱自動車販売会社にて12ヶ月点検相当の有料点検を受ける事で保証が継承されます。
また駆動用バッテリ交換の容量保証は1回限りなので、中古車を購入する際は、駆動用バッテリーが交換済み(保証が残っているか?)の確認もしっかりとした方が良いかと思います。
容量が減らない時の裏技はコレ!
容量が大きい値で減らないのであれば良い事なのですが、我が家のように70.3%という値まで落ち込んでしまった場合は、駆動用バッテリーに負荷をかける事もお得な裏技です。
走行距離が多い車両ほど、駆動用バッテリーが劣化しているイメージがあるかと思いますが、そんな事はありません。
因みに我が家のアウトランダーPHEVの走行距離は7年で27,000kmほどです。
- B5モード(回生ブレーキ)を多用した走行
回生ブレーキは、運動エネルギーを電気に変換して充電を行います。
この回生ブレーキが強く効くB5モードは充電する電力が増えるので、地味にバッテリーに負荷がかかるそうです。 - 200V満充電の回数を増やす
リチウムイオンバッテリーは、満充電を繰り返す事で劣化する傾向にあります。
タイマー充電の設定は100%にしておきましょう。 - 山道などアップダウンで負荷の掛かる走行を行う
山道の下りの際には、積極的に回生ブレーキを多用するのも良いと思います。 - 急速充電を繰り返す
これはディーラーでも購入の際に注意して欲しい事としてお話されていました。
最近はBEVも増えてきたので、公共の施設に設置してある急速充電器を多用し難くなってきているのがネックです。
我が家の場合は、1と2が大きな功績(?)を残したのだと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか?
最近になってWEBで容量保障についてアナウンスされるようにはなったものの、ディーラーの担当から「そろそろ容量測定をして容量保証を受けてみませんか?」的な案内をして欲しいものですね。
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